皆さんはファッション誌を読んでいますか。
私も気まぐれに買ってはウキウキと皮算用していますが、小学生の時は「Seventeen」、中学生の頃は「nonno」といった感じで、たいてい自分の実年齢より5〜10歳くらい上の人がターゲットになっている雑誌を読んでいました。そのため33歳の現在は、目下40歳オーバーのファッションをウォッチしながら、いかにしてクールなミセスになるかを思案しているのであります。
でも正直40歳に近づくにつれ、体の方は“クール”とはほど遠い現象ばかりが頻発。いつの間にか歯間はスカスカで外食に爪楊枝は欠かせず、シナプスも機能していないのか、「アレ」「コレ」「ソレ」と指示語オンリーで会話していることもしばしば。そして辛いのは、生気も覇気もない素の顔。すっかり失われた血色によって、顔というキャンバスには茶色と黄土色が広がっています。あ、ドドメ色もありました。
そんないと哀し状態の自分にとって、未来への一縷の望みといえる存在が、ヘレン・ミレンとダイアン・キートン女史であります。
街を歩いていると時々、「これはただ者ではない…」という洒落者おばあちゃんに遭遇することがありますが、ふたりはまさにそんな感じ(ヘレンとダイアンは現在、71歳と70歳!)。特にダイアンは「アニー・ホール・ルック」と呼ばれるメンズライクかつ知性香るファッションを生み出したことで有名ですが、実はヘレンもとんでもないファッショニスタなのであります。
鬼のように強い老人たちがバカスカ人を殺しまくる「RED」シリーズでは、紅一点のスナイパー役で登場。苦味ばしったご尊顔は甘さゼロなので、女性らしい大ぶりのアクセサリーと真紅の口紅が映えまくり。重厚なネックレスを扉のカンヌキにも使い、オシャレがアクションに活きているのも◎なのであります。
そんな「RED」シリーズをはじめ、「マダム・マロリーと魔法のスパイス」や「黄金のアデーレ」でも披露してくれるのが、ワントーンでまとめたコーディネート。それも、灰色と茶色の中間色であるトープやベージュ、アイスグレー、薄いピンクといった淡い色味の使い方が絶妙です。また、同じ白でもカシミアやミンクといった違う素材を組み合わせることで、退屈な着こなしにならないことを教えてくれるのであります。
小泉なつみ Natsumi Koizumi
きくちあつこ Atsuko Kikuchi
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