U-NEXT独占!村上虹郎コメント映像 U-NEXT独占!村上虹郎コメント映像

村上虹郎 Nijiro Murakami
1997年3月17日生まれ。2014年に映画「2つ目の窓」(河瀨直美監督)で俳優デビュー、第29回高崎映画祭・最優秀新人男優賞を受賞。昨年は「ディストラクション・ベイビーズ」などで第8回TAMA映画賞・最優秀新進男優賞、第38回ヨコハマ映画祭・最優秀新人賞、第90回キネマ旬報ベスト・テン 新人男優賞などを受賞。舞台にも積極的に出演し、高い評価を得ている。

「二度めの夏、二度と会えない君」を見て、まず驚いたのは、主人公・篠原智を演じる村上虹郎に寄った画が、とにかく多いことだった。カメラはどんどん寄っていく。寄って寄って、スクリーンには村上の顔オンリー、あるいはもっと寄って、ほとんど目しか映っていないシーンさえある。
   このような、ある意味で冒険的なつくりに驚きつつも思ったのは、「ああ、カメラもこの人に魅せられてしまったのだな」ということ。
   村上演じる主人公・智の前に転校生として突然現れたポジティブ女子・森山燐(吉田円佳)に恋をする、その彼の輝きにカメラが恋をしてしまったに違いない、と。

村上
「この映画、確かに顔や目のアップが多いですよね(笑)。どのような意図があったのか、監督(中西健二監督)からの説明はありませんでしたが、撮影中は『そんなに寄るんだ!』と思っていました。でも、画面には無駄なものが何もないので、見ている人には、何を伝えたいのかがシンプルに伝わる。燐を思って複雑に揺れる智の心情を表現するという意味では、寄りにフォーカスした今回の手法は、この映画としてははまっていたんだろうなと思っています」

 複雑に揺れる智の心情…。そう、この物語は単に“好きな女子への恋心に思い悩む男子”の姿を映したものではない。「バンドを結成して文化祭で演奏したい!」そんな無邪気な夢を持ち、クラスメートである智を巻き込んで猪突猛進に突き進む少女・燐は、夢を叶えた後、いなくなってしまう…というところから、この映画は始まる。

村上
「燐に振り回されながらも彼女に恋をしていた智は、その後、当然、ふぬけのようになるのですが、ふと気づくと、燐が転校してきた頃に戻っている。つまり、時間が巻き戻っているんです。僕はそういうタイムリープものは割と好きですね」

 と言うのも、実は村上、こういったファンタジー色の強い淡い恋愛モノの主人公をいくつも演じてきているのだ。

 たとえば、彼女に会った誰もが数時間のうちに彼女についての記憶を失ってしまう、そんな女の子に恋する主人公を演じた「忘れないと誓ったぼくがいた」(15)。あるいは、死んでしまった女の子が、数年後、目の前に現れる「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(15)。そして本作。若くてせつない、戸惑いがちな恋の物語。

村上
「今回の作品でも、キスシーンもないような淡い恋愛が描かれているのですが、それもこの映画の良さです。キスしたりしない、でも本当の恋だってあるだろうし、むしろそれってリアルなんじゃないかな、とさえ思います」

 そう語る村上自身の純粋さが、まだ何にも染まっていないような佇まいが、本作も含めたそうしたピュアな物語を引き寄せてきたのだろう。

村上
「智はとにかく純粋で、純粋だから悩んで後悔する。ずっと悩んでいるんです。燐に誘われてバンドを組んで、そのバンド仲間たちとの明るくて楽しいシーンもある映画なので、そこは救われるのですが、基本的にこの映画は“智の反省映画”なんです(笑)」

 智はなぜ、そんなに悩んでいるのか。それは、病院のベッドに横たわる燐に智が言ったあるひと言のために、燐は苦しい思いを抱えたまま去ってしまったから。でも、時間は巻き戻った。それまでの楽しい思い出はそのままに、あのひと言だけを修正すれば、燐は笑顔でこの世を去ることができるはず。しかし。燐が死ぬことを知らずに無邪気に過ごした1度めの夏と同じことを、その運命を知った上で繰り返す日々は、智にとって神経をすり減らす日々でもあり…。

 智の心がことあるごとに揺れ、反省や後悔に彩られてしまうのも、当然のことである。

村上
「そのことでは、演じる上でもかなり消耗させられました。表面的には同じこと、同じ台詞を繰り返していても、そのときの智の心情は違うわけです。特に最後の病院のシーン。1度めで言ってしまったあるひと言を別の言葉に変える以外は、ほぼ同じことを繰り返すことになるのですが、実はあの1度めと2度めって、同じ日に撮影したんです。持久力を要する、すごく大変な撮影でした。もう、極限状態。ただ、人って極限状態のときの方が本質を見抜きやすいし、その時に本当にすべきことが分かると思うので、その分、役を掴むことができたような気はしています。だからなのか、この日の撮影が終わった後、なんだか浄化された気がしたんです」

 村上にとって、本作最大の試練だったともいうべきこのシーンは、特に村上の顔のアップが多かったシーンでもある。思わず寄っていってしまったのか、あるいは最初から村上の顔に賭けたのか…。いずれにしても、カメラがとらえた1度めと2度め、それぞれの智の心情を繊細に語り分けた顔は、村上虹郎の、というよりは、あきらかに篠原智のそれだった。

 昨年、19歳の夏にこの撮影を終え、今年20歳になった村上。今年6月に公開された「武曲 MUKOKU」(熊切和嘉監督)では、ラップのリリック作りに夢中だった高校生が剣の道に魅せられていく姿を凛々しくも躍動感あふれる演技で体現し、高い評価を得た。7月からは連続ドラマ「デッドストック〜未知への挑戦〜」(テレビ東京系列)に主演する。

村上
「もし、今もう1回、智を演じろと言われたら…それはもちろん演じますけど、同じ顔にはならないでしょうね」

 「二度めの夏、二度と会えない君」。そこには、それまでの顔とも、今現在の顔とも違う、19歳最後の夏、あの時だけの村上虹郎=篠原智の顔が、しっかりと刻まれている。

「バンドやろう!」あの夏、彼女は言った。もう二度と会えないと思っていた彼女と過ごす、二度めの夏。大好きな彼女を悲しませないため、僕はあの夏をやり直す…。主演、村上虹郎。今年の夏を締めくくる青春純愛ストーリーが誕生した!

原作:赤城大空『二度めの夏、二度と会えない君』(小学館「ガガガ文庫」刊/イラスト:ぶーた)

  • 脚本:長谷川康夫
  • 監督:中西健二
  • 出演:村上虹郎 吉田円佳 加藤玲奈 金城茉奈 山田裕貴/本上まなみ/菊池亜希子

  • スクリーンナンバー:たんこぶちん&Primember「遠距離恋愛爆撃ミサイル」「さよなら監獄教室」「TIME」「グライダー」「蝉時雨ライダーズ」(YAMAHA MUSIC COMMUNICATIONS)
  • エンディングテーマ:たんこぶちん「夏のおわりに」(YAMAHA MUSIC COMMUNICATIONS)

  • 配給:キノフィルムズ/木下グループ

毎月もらえるU-NEXTポイントが全国の劇場で映画チケットの割引に使えます。

毎月もらえるU-NEXTポイントが全国の劇場で映画チケットの割引に使えます。
詳しくはhttps://video.unext.jp/movieticketをご確認ください。

(インタビュアー:塚田泉 文:編集部)