
女性誌の「1ヵ月間着回し企画」が好きだ。だいたいそれは物語仕立てになっていて、「ファッション誌編集部で働くユミ」や「ブランドの広報として活躍するミキ」などを主人公に、
「今日は大事なプレゼンデー。気合の白ジャケで商談相手もイチコロ♪」
「大好きな先輩にワンピを褒められちゃった!これってなにかのサイン?」
みたいな感じで日々のコーディネート術を紹介しながら、仕事と恋模様が展開。そして最後は意中の彼とゴールインして終わるのが定石である。
でもこの企画を私仕様でリアルに綴るなら、
「今日は二日酔い。お風呂も入れなかったのでマスクとひっつめ髪でGO!」
「徹夜Day。ゴムのウェストで乗り切るぞ♪」
になる。だって仕事で着る洋服は、9割が実用だ。それでも毎号飽きることなく着回し企画を精読してしまうのは、「おしゃれも仕事も頑張る私」を諦めきれないからであります(恥)。
そんな「おしゃれも仕事も頑張る私」を体現したエポック的作品が、「プラダを着た悪魔」だ。
男たちが「マッドマックス 怒りのデスロード」を何回でもおかわりできるように、働き女子たちは「プラダ」で何度でも燃えることができる。
なぜこんなにも女子は「プラダ」が好きなのか改めて考えてみると、おしゃれをすることが仕事のステップアップとリンクしているからだと思い当たった。
小泉なつみ Natsumi Koizumi
きくちあつこ Atsuko Kikuchi
©きくちあつこ