「新宿スワンII」綾野剛インタビュー| U-NEXT 「新宿スワンII」綾野剛インタビュー| U-NEXT

いまや日本映画界になくてはならない存在、綾野剛。1月21日(土)には最新作「新宿スワンII」が劇場公開。前作に続いて主人公・白鳥龍彦を演じた彼に、このシリーズへの愛情や、新作で敵対する役柄を演じた浅野忠信への思い、人気原作を映画化する難しさについて話を聞いた。彼の心の内を知ったうえで出演作を見てみると、新しい綾野剛が見えてくるだろう。

What's「新宿スワン」? What's「新宿スワン」?

「新宿スワン」(2014)
出演:綾野剛、山田孝之、沢尻エリカ ほか

東京・新宿を舞台に、新人スカウトマンの成長を描いた映画「新宿スワン」。歌舞伎町に生きる男たちの熾烈な戦いと女たちの悲しみを、園子温監督らしい壮絶なアクションを交え、鮮やかに描いている。裏社会の実情がディテールまでリアルに描かれているのは、原作コミックの作者・和久井健本人が元スカウトマンだからこそ!

原作書籍

「新宿スワン(1)」
和久井健/講談社
全39巻(配信中)

綾野剛が語る「新宿スワンII」 綾野剛が語る「新宿スワンII」

現れた綾野剛を見て、少し面食らった。直前に試写で見た「新宿スワンII」の主人公・白鳥龍彦の残像が強烈に頭に残っていたからかもしれない。綾野本人には、龍彦のような押し出しの強さは、まったくない。静かに、しかし明確な言葉を選んで真摯に話し始めた彼は、むしろ研究者のような空気を纏っていた。

しかし、自ら「自分の可能性を引き出してくれた代表作」と語る「新宿スワン」の続編について話し出すと、口調は次第に熱を帯びていく。少年の顔になった。

前作とはまったく違う。続編ではありません 前作とはまったく違う。続編ではありません

綾野
「『新宿スワンII』は、続編ではありません。“新章”です。前作は、龍彦というひとりの男が、山田孝之さん演じる圧倒的エネミー(敵役)・秀吉と、沢尻エリカさん演じる、こちらも圧倒的なヒロインであるアゲハと出会い、成長していく物語でした。龍彦が初めてスカウトの世界で葛藤し、周囲を巻き込んでいく展開だった。でも、今回は違います。歌舞伎町というミニマムな世界から飛び出した、戦国物語です。成長した龍彦は、スカウト会社・バーストという組織の中にいて、その組織が国盗り合戦という戦いに挑んでいく。龍彦は、『ダイ・ハード』よろしく、事件に巻き込まれていく立場なんです」

前作と今作は、まったく異なるもの。だから、どちらが好きかは分かれるはずだし、それで構わない、と綾野は言う。

綾野
「前作支持派と今回の新作を好きな人と、左右に分かれてディスカッションしたら面白いんじゃないか、と思うくらい。それだけ違う作品だということです。前作の続きを作れば、安全だったと思います。でも、そうしなかった。『仁義なき戦い』のような名作シリーズもそうですが、主人公が成長すれば立場も舞台も変わり、それに従って展開していく。そういう難しい道を選んだ作品ですし、それは僕にとって誇りです」

横浜の恐さ、横浜を牛耳る男の怖さ 横浜の恐さ、横浜を牛耳る男の怖さ

今作では横浜が新たな舞台となっていることも、その“違い”に関係しているようだ。龍彦が所属するスカウト会社バーストが横浜に乗り込んでいき、横浜を拠点とするスカウト会社・ウィザードと激しい戦いを繰り広げる。

綾野
「歌舞伎町と横浜。まったく違うタイプの街ですよね。歌舞伎町を歩いていて感じるのは、まるでシューティングゲームのような緊張感。会う人会う人に狙われているようなエネルギーを感じますね。逆に横浜に行くと、放っておかれているような怖さがある。ただ、ある一線を越えたら一気にやられそうな…。撮影をしていても、独特な空気がありました。その街が持つ光と闇を、素直に感じながら演じたらいいのかなと思っていました。ロケーションも共演者ですから」

その横浜を牛耳る最恐の敵・タキを演じるのが、浅野忠信。共演回数は多い。しかし、浅野が演じる時に纏うオーラに、毎回圧倒されると言う。

綾野
「ご本人は、ものすごく優しいかたなんです。僕らが“勘弁してください”って思ってしまうほどに気にかけてくださる。でも本番に入るとまったく変わってしまう。声が変わるとか、表情が変わるとかではなくて…纏う匂いが、違う。それはもう、恐怖でしかなかったです」

クライマックスに用意されている浅野との対決シーンは、目が離せなくなるほどの迫力だ。

綾野
「(存在感が)強いんですよ。いざ構えて、“よーいスタート”って言われた瞬間に『いや、ちょっと待ってください』って言って止めてもらったこともあります。自分の体を叩いて、しっかり構えなおして。そうしないとオーラに負けてしまいそうで。それほどとてつもないパワーでした。だからこそ、龍彦らしさも引き出していただいたと思います」

どうせ死ぬなら立って死ね、という覚悟 どうせ死ぬなら立って死ね、という覚悟

恐怖という意味では、本作で改めて、原作がある映画を作ることに対しても“恐怖”を感じているという。

綾野
「原作には常に敬意を持っています。特にこの作品に関しては、僕自身が原作ファンで、面白さを知っている分、怖い。でも、僕自身が主役として、作品の力を信じて立ち続けるしかない。どうせ死ぬなら立って死ね、という覚悟です」

綾野の話を聞いていると、しばしば映画作品が喩えとして引き合いに出されることに気づく。だから、最後に好きな映画を尋ねてみたら、かなり真剣に悩んでから、本当に困ったように、言った。

綾野
「役者に好きな映画を訊くなんて、酷ですよ!」

映画が、そして役者の仕事が、本当に好きなのだろう。最初に感じた「研究者のような空気」は、好きな世界を究めようとする者の持つひたむきさ、だったのかもしれない。

大きな覚悟を持って臨んだ「新宿スワンII」。龍彦にとってそうだったように、綾野にとっても、愛する映画の世界での“ガチ勝負”作品に違いない。

綾野剛プロフィール&クロニクル 綾野剛プロフィール&クロニクル

綾野剛の出演作の中から、役柄の幅の広さを感じさせてくれる作品をピックアップ。作品の規模にとらわれず多彩な人物像に挑戦し続ける姿に、役者としての矜持を感じるはずだ。

綾野剛 Go Ayano 綾野剛 Go Ayano

1982年1月26日生まれ。岐阜県出身。2003年に俳優デビュー。近年の主演作は「新宿スワン」(15)、「日本で一番悪い奴ら」(16年)など。2017年公開の「武曲 MUKOKU」での主演も決まっている。

「新宿スワンII」劇場公開情報 「新宿スワンII」劇場公開情報

「新宿スワンII」1/21(土)ロードショー 「新宿スワンII」1/21(土)ロードショー

「新宿スワンII」http://ss-2.jp/

最強(シンジュク)vs最恐(ヨコハマ)、全面戦争に突入。生き残るのはどっちだ。
金髪・天パ―のスカウトマン、あの白鳥龍彦が帰ってくる!前作から1年。シマを広げるために横浜進出をもくろむ新宿バーストと、その新宿を飲み込もうとする横浜ウィザードの全面戦争を背景に、男たちの熾烈なぶつかり合い、女たちの火花を散らす闘いが、鮮やかに描かれる。2017年新春、ガチの勝負に参戦せよ!!

【キャスト・スタッフ】
綾野剛 浅野忠信 伊勢谷友介
山田優 豊原功補 吉田鋼太郎/椎名桔平

プロデューサー:山本又一朗
脚本:水島力也
監督:園子温

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© 2017「新宿スワンII」製作委員会
(撮影:中村彰男/ヘアメイク:須田理恵/スタイリング澤田石和寛(SEPT)/文:編集部)

©2010「シュアリー・サムデイ」製作委員会 ©岡崎京子/祥伝社 ©2012「シャニダールの花」製作委員会 ©NTV ©2012「新しい靴を買わなくちゃ」製作委員会 ©和月伸宏/集英社 ©2012 「るろうに剣心」製作委員会 ©2014「そこのみにて光輝く」製作委員会 ©2014 モンキー・パンチ/「ルパン三世」製作委員会 ©2014真鍋昌平・小学館/映画「闇金ウシジマくん2」製作員会 ©TBS ©小森陽一、藤堂 裕、小学館 ©2015 soredake film partners. All Rights Reserved. ©2015 ジョージ朝倉/祥伝社/「ピース オブ ケイク」製作委員会 ©2015「天空の蜂」製作委員会 ©TBS ©鈴ノ木ユウ/講談社 ©RVWフィルムパートナーズ