「君の名は。」8/26(金)劇場公開記念 新海誠監督インタビュー 「君の名は。」8/26(金)劇場公開記念 新海誠監督インタビュー

「デジタル世代の映像文学」。深淵で詩的な世界観から、そう称される作品を発表し続けている新海誠監督。「君の名は。」の8/26(金)の劇場公開によせて、新作への思い、そしてU-NEXTでも配信している今までの劇場作品5編との繋がりについてお話を聞きました。

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新作「君の名は。」の8/26(金)の劇場公開に合わせ、新海監督のコメント動画が届きました。短い中にも作品への深い愛情と誠実さがにじみ出る貴重な映像を、ぜひご覧ください。

新海誠 SHINKAI MAKOTO
1973年生まれ。2002年、個人で制作した短編映画「ほしのこえ」でデビュー。発表する作品のすべてが国内外の映画賞やアニメ賞を数多く受賞し、2012年、内閣官房国家戦略室より「世界で活躍し『日本』を発信する日本人」として感謝状を贈られるなど、次世代のアニメーション監督として高い評価と支持を受けている。

運命の人はいる、ということを伝えたかった運命の人はいる、ということを伝えたかった
「君の名は。」を支える天才たち
——
キャラクターデザインに
「心が叫びたがってるんだ。」の田中将賀さん。
作画監督に「千と千尋の神隠し」の安藤雅司さん。
従来の新海作品とは異なる才能を持つおふたりが参加されています。
どのような流れで実現されたのでしょうか。
新海
個人的に田中さんの絵が昔から好きだったんです。
そんな中で、
(映画「心が叫びたがってるんだ。」の)長井龍雪監督に
田中さんをご紹介いただいて。
「CMを一緒にやっていただけませんか?」とお願いしました。
そうやって出来上がったのが、先ほどの「クロスロード」です。
自分の作品が
キャラクターアニメーションになり得るんだっていうことを、
田中さんが教えてくれた気がします。
僕の作品の特徴だと思うのですが、
キャラクターよりも情景描写の比重が高いということが多くて。
僕自身、それが好きだっていうのもあったんですが、
田中さんに作画していただいたことで、
情景描写を抑え込むことなく、キャラクターも立たせられる、
という経験ができたんです。
だから、次に長編を作るときもぜひお願いをしたいって、
田中さんにはお話していました。
安藤さんに関しては、単純に僕が憧れていた人だったんです。
だから、今回の作画監督を誰にお願いするか、
という話になったときに、実現可能かは別にして
(スタジオジブリ出身の)安藤さんのお名前を
最初にあげさせてもらいました。
たまたま、スタジオジブリ出身の動画スタッフが
うち(コミックス・ウェーブ・フィルム)に何人かいまして、
繋いでもらったんです。
脚本と、田中さんのキャラクター原案を持って行って、
「なんとかご一緒できないでしょうか?」とお願いしました。
お返事をいただくまで3〜4カ月かかった気がしますが、
最終的には「田中さんのキャラクターを動かす」ということに
興味をもっていただけ、参加してくださいました。
——
人気俳優の神木隆之介さんが、主人公の瀧を演じられました。
彼の起用の決め手は何だったのでしょうか?
新海
彼は耳がいいんですよ。声とか音に対しての感受性がすごく強い。
僕の作品を好きだといってくれるんですけど、
台詞のリズムとか、
「どうしてここで言葉を区切って言ってるんですか?」とか、
そういう質問が多いんですね。
物語を楽しんでいるだけでなく、
声のディテールみたいなのに興味を引かれているような気がします。
それが多分声優としての
神木さんの魅力に繋がっていると思うんです。
それから、
「僕はアニメが好きだから、
みんなが好きなアニメの中の女の子のお芝居って、
なんとなくわかるんです」みたいなこともおっしゃっていて、
それは瀧になった時の三葉を演じる上での
バックボーンになっていると思います。
加えて、中性的な魅力であったりとか、演技力であったりとか、
いろいろ考えていくと神木さんにしか最終的には行き着かなかったですね。
——
三葉についても、新海監督は
「何百人に会っても、三葉は上白石さんになっていた」と
語られています。
その理由は一体なんでしょうか?
新海
三葉というキャラクターの輪郭を彼女が教えてくれたからです。
脚本を書き終わった時、僕の中で
「三葉って、本当はどういう女の子なんだろう」って、
キャラクターが少し曖昧なところもあって。
例えば劇中で
「来世は東京のイケメン男子にしてくださーい!」と叫ぶんですが、
「普通そんなこと叫ぶかな?」ってちょっと引っかかっていたんです。
物語の都合に、キャラクターの芝居を合わせてしまったのではないかと。
でも、上白石さんに会った時、
「この子だったらそんなこと叫んじゃうかもしれない」
「勢いで、嫌なことを思い切り発散してしまうかもしれない」
そんなことを感じさせてくれて。
存在感そのもので、僕に三葉を示してくれたと言えますね。
もちろん、声の魅力や演技の確かさが大前提ではあります。
——
人気ロックバンドのRADWIMPSが音楽を担当し話題になりました。
彼らの楽曲は、作品にどんな影響を与えましたか?
新海
作品に疾走感みたいなものを与えてくれたのが彼らだと思います。
具体的に言うと、最初、瀧と三葉は夢の中で出会って、
スマホを通じてコミュニケーションをする。
つまりメモのやりとりですね。
そういう脚本だったんです。
でも、RADWIMPSの曲をもらって絵コンテにどう使おうか考えていると、
スマホのやりとりだけじゃダメだ、と思ったんです。
「もう一歩進んだ何かを、彼らはやらなきゃいけない、
やらなければおさまらない!」みたいな気持ちにさせられた。
手や顔に文字を書きなぐる、お互いの体に物理的に何かを刻む、
というシーンは、RADWIMPSの曲を聞いて湧いてきたものです。
最終的には映画の演出まで彼らのテイストから影響を受けたので、
映画からは切り離せないですね。
とはいえ、彼らの曲は映画にべったりではない。
映画のストーリーそのままを歌詞で歌っているわけではないんですね。
でも映画から完全に離れてもいない。
物語に普遍性を加味して、幅を広げてくれました。
野田さん(RADWIMPS・野田洋次郎)の
距離感の取り方、バランス感覚みたいなものは、
映画音楽が初めてとは思えないというか。
最初に受け取ったラフ曲が「スパークル」だったのですが、
ヘッドフォンで聞きながら外に出て何度も何度も聞きました。
とにかく心に響いて、
僕が本作で探していたものを、その曲が教えてくれたような気がして。
彼らは、一種の天才だなと強く感じました。
今の僕にとっては“集大成”
——
最後に、新海監督にとって「君の名は。」は
どのような作品でしょうか。
新海
今の僕にとっての集大成と言える作品、
それが「君の名は。」だと思います。
「ほしのこえ」(商業デビュー作)の時は、ひとりとかふたりとか、
具体的な相手に見てほしいという気持ちでした。
でも発表した後から、その対象が少し広がっていきました。
作品を重ねるにつれて、対象が個人ではなくなり、
もう少し遠く…いるかもしれない誰か、
一生会うことがないかもしれない誰かに見てもらいたい、
という気持ちが強くなってきて。
「君の名は。」では、
僕のことを知らない人に見て欲しいという気持ちが強いですね。
新海誠作品だから見るという人以上に、
「君の名は。」という映画が公開されているから見る、という人たちに
「楽しかった。この作品、誰が作っているんだろう?」
という風に思ってもらえたらいいなと思っています。
新海監督が語る、「君の名は。」が“集大成”である理由新海監督が語る、「君の名は。」が“集大成”である理由
2002年の劇場デビュー以来生み出してきた5つの作品について、新作「君の名は。」との繋がりという面からお話を聞きました。
「ほしのこえ」(2002)

「ほしのこえ」(2002)

「君の名は。」でのスマホを使ったメッセージのやり取りは、この作品での主人公たちの携帯メールのやり取りを連想させると思います。しかももっと大きな部分でも「君の名は。」とリンクしています。楽しみにしていてください。
「雲のむこう、約束の場所」(2004)

「雲のむこう、約束の場所」(2004)

初の長編作品であり、苦労もしましたし、上手くいかなかった部分も多くて。語りたい要素が詰まった作品です。夢で出会う男女とか、地理的な断絶とか「君の名は。」にも共通点の多い作品だと思います。
「秒速5センチメートル」(2007)

「秒速5センチメートル」(2007)

個人的な思いは別として、僕の作品の中でも好きだと言ってくれる方が多い作品です。僕にとってもこの作品を経たことで「より多くの人に見てもらう」ことを意識しはじめました。すれ違い続ける男女、という構造は「君の名は。」と同じといえますね。
「星を追う子ども」(2011)

「星を追う子ども」(2011)

モチーフとしては「生の世界と死の世界」を描くつもりだったんです。「君の名は。」にもそういう要素はあって、この作品から引っ張ってきた部分だと言えますね。ただ、当時は自己プロデュース面で足りなかった部分を強く感じます。
「言の葉の庭」(2013)

「言の葉の庭」(2013)

主人公がヒロインの足に触れるというフェティッシュな描写があるんですが、「君の名は。」では、さらにフェティッシュな描写があるんです。見る人が、新たな嗜好に目覚めたりすると作り手としてはこれ以上の喜びはないですね(笑)
新海誠監督最新作「君の名は。」8/26(金)全国東宝系にてロードショー新海誠監督最新作「君の名は。」8/26(金)全国東宝系にてロードショー
君の名は。

「君の名は。」http://www.kiminona.com/

新海誠監督待望の新作「君の名は。」は、夢の中で“入れ替わる”少年と少女の恋と奇跡の物語。世界の違うふたりの隔たりと繋がりから生まれる「距離」のドラマを圧倒的な映像美とスケールで描き出す。
誰もが経験したことのない、アニメーションの新領域。
新たな“不朽の名作”が誕生する!

【声の出演・スタッフ】
神木隆之介 上白石萌音 
成田凌 悠木碧 島崎信長 石川界人 谷花音
長澤まさみ 市原悦子

原作・脚本・監督:新海誠
作画監督:安藤雅司
キャラクターデザイン:田中将賀
音楽:RADWIMPS

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(文:編集部)

©2016「君の名は。」製作委員会