ディア・ペイシェント～絆のカル…

真野千晶（貫地谷しほり）は、首都圏の民間総合病院に勤める内科医。先輩の浜口陽子（内田有紀）らとともに、日々診療に追われている。ある日、妻にがんの疑いのある夫婦が患者としてやってくる。藤井宏明（佐野史郎）は“モンスターペイシェント”で、千晶に何かとクレームを言ってくる。当事者である妻の典子（宮崎美子）はそんな夫に気をもんでいるが、夫には何も言えないでいた。やがてそれは院内暴力にまで発展してしまう。

千晶（貫地谷しほり）は、入院している幼い患者・美和（新津ちせ）と出会い交流を深める。千晶は、美和が脳腫瘍で回復の見込みがないことを知り、何かと心を寄せていた。そんな折、リストカットをした若い女性・笠原祥子（小島藤子）が病院へ運ばれてくる。自ら命を絶ちたいと思う祥子は、生きたくても生きることもままならない美和に複雑な思いを抱くのだが、千晶ら医師たちの介在と美和の死に直面し、次第に心変わりしてゆく…。

ある日、千晶（貫地谷しほり）は、落とし物の保険証を拾う。それは、知り合いの男性の物だったが、受け取りに現れたのは、女性！？トランスジェンダーの香織（戸塚純貴）は、胃潰瘍を患い千晶の病院に入院する。心と見た目は女性の香織の入院生活は何かと不自由だったが、千晶は、そんな香織に寄り添う。やがて香織と恋人の間に亀裂があることを知る。香織は、恋人に、いわゆる「普通の」結婚をしてほしいと身を引いたのだった。

その日、千晶（貫地谷しほり）の診察を受けに来たのは、便秘に悩む女性・広瀬真弓（中島ひろ子）。彼女は常にイライラとした態度をとるモンスターペイシェントだった。挙句に真弓は、座間（田中哲司）と結託して、千晶を困らせるようになる。ある日、真弓は腸閉塞を発症し、救急車で運ばれてくる。心を開かない真弓に、愚直に寄り添う千晶。そのうちに彼女は、女一人、４０過ぎまで必死に仕事に生きてきた心情を千晶に打ち明ける。

介護士の瀬戸翔太（笠松将）は、自身が介護を担当している認知症患者の西園寺光隆（竜雷太）とトラブルとなる。瀬戸は、裕福ではあるが家族から見放されている西園寺が、認知症の影響で暴力的な態度をとることがいたたまれなくなり、西園寺に対して暴言を吐いてしまったのだ。事務長の高峰（升毅）はそのことを病院内の大きな問題とし、瀬戸は辞職を決意する。千晶（貫地谷しほり）は引き止めるが、瀬戸の意思は揺るがない。

千晶（貫地谷しほり）は、乳児を抱えた母親・岩見春菜（朝倉あき）から、千晶が誤ったワクチンを打とうとしたとクレームをつけられる。その様子から千晶は、春菜が育児ノイローゼに陥っているのではないかと疑う。数日後、千晶は春菜に呼び出される。ファミレスで働くある女性を殴ってくれと言うのだ。どうやら春菜の夫はその女性と浮気をしているらしい。幼い子を抱えて夫は浮気。千晶は春菜が追い詰められていることを知る。

千晶（貫地谷しほり）のもとを「息子の薬をくれ」という年配の女性・秋絵（松金よね子）が訪れる。無診察診療はできないと千晶は断ったが、後日、秋絵が手の怪我で病院に運ばれてくる。どうやら秋絵の息子は引きこもりで、怪我は息子の仕業らしいが、秋絵は息子をかばって本当のことを言わない。さらに秋絵には心臓に病気があることが分かるが、事務長の高峰（升毅）は、厄介払いをするように秋絵を別の病院に転院させてしまう。

信頼する先輩医師の陽子（内田有紀）が突然亡くなった。抱えていた医療訴訟がうまく運ばず、絶望したからに思えた。しかし、悲しみに打ちひしがれる千晶（貫地谷しほり）には、一つの疑問があった。「なぜ、誰よりも責任感の強い陽子が、患者を置いてこの選択をしてしまったのか？」その後、千晶は陽子の夫から、陽子が自らの保険金を賠償にあてるつもりでいたことを知る。そして陽子の両親から、千晶宛の陽子の手紙を渡される。

佐々井記念病院では院長の佐々井（石黒賢）と事務長の高峰（升毅）が経営方針の違いを巡って対立を深めていた。ある日、千晶（貫地谷しほり）の同僚医師の金田（浅香航大）がモンスター患者に包丁で刺されるという事件が起きる。次から次へと院内に問題が起こる中、院長は高峰の更迭を決意し、高峰は病院を去ることになる。一方、座間敦司（田中哲司）の行動が気になった千晶（貫地谷しほり）は、座間の家を訪れるが…。

佐々井院長（石黒賢）のもとで改革が進む病院だがそこへまた座間（田中哲司）が現れた。なぜか座間はロビーで歌っている。そして「やっと終わる」とつぶやいて去っていこうとした。追いかける千晶。そこへ認知症の患者・浅沼知恵子（鷲尾真知子）が運転する車が暴走して突っ込んできた。その瞬間、座間は千晶を突き飛ばす。千晶は難を逃れるが、座間は意識不明となる。一方病院内部に座間を操っている者がいる疑いが出てくる。