義風堂々!! 兼続と慶次

第十四話 漢たちの酒語り

24分
月夜の庭にいる茂助と次郎坊。しばし物語るかねと問われた茂助は「ああ、いたそう」と杯を合わせようとするが届かず、池へと転落。彼らによって、莫逆の友と呼ばれた直江兼続と前田慶次の物語が語られる。
エピソード
戦国末期の出羽国米沢堂森。上杉家の存亡を懸けた戦いで「義」に生きた2人の武将、直江兼続と前田慶次が、月夜の庭で「昔を物語ろう」と盃を交わす。天正16年の夏の京で、兼続は後妻打ちの見届け役を頼まれた。
刺客たちを瞬時に倒した慶次と兼続。それは2人の運命が大きく動いた瞬間だった。上杉家家臣・山田喜八の屋敷では前妻組と後妻組が揃って後妻打ちが始まり、慶次は庭に座って虎皮の仮面をかぶり成り行きを見守る。
「佐渡平定を果たすのだ」と豊臣秀吉は上杉景勝に圧力をかける。蘆名氏の暗躍と聞いた景勝は眉間のシワを深く刻んだ。一方、西洞院の座敷で兼続は慶次に佐渡攻めについて語り、彼に別れを告げた。
佐渡平定に乗り出した上杉軍を北佐渡の地頭・河原田本間高統が迎え入れる。だがその裏には本間家、ひいては豊臣秀吉の陰謀が潜んでいた。河原田本間家の陣と羽茂本田家の陣が、鴻の川を挟んで相対していたが…。
血で赤錆色に染まる鴻の川。旗も武器もなく無抵抗に倒れていった老兵たちは、本間高統により家族を人質に取られた農民だった。兼続は、老兵たちの進軍が秀吉の使者が到着するまでの時間稼ぎだったと見抜いていた。
佐渡平定の報を聞いた秀吉は、兼続と慶次が欲しいとつぶやく。佐渡では本間高季の首がさらされていた。再起のために赴いた越後の浜で討たれたのだ。兼続と慶次はその潔さに義を感じ、義なき本間高統を問題視する。
堂森の地で月下に語り合う2人の前に、水面に浮かび立つのは本能寺で自害して果てたはずの織田信長だった。彼は、妙姫の檜扇を手にした兼続がその素生を追及された後に、生きていられるはずがないと思っていた。
豊臣秀吉が告げた計略は、前田利家を驚かすには十分過ぎた。由なるは佐渡平定の功労者、前田慶次の引見だが、秀吉の策には裏があった。引見の仲立ち人を上杉景勝に申し付け、傾奇者の振る舞いの責任を追及するが…。
兼続と慶次は上洛することを決めた。それは勝てぬ戦だと承知し、漢の義を貫いたすがすがしい生き方でもあった。別々に分かれ、ひとり京に向かう兼続が安土に差しかかった時、兼続の前に何と茂助が現れた。
不敵な笑みを浮かべる徳川家康、憂慮する石田三成、そして豊臣秀吉の3人が上杉の上洛を待っている。慶次のとばっちりを危惧した前田利家は、兼続の上洛を阻むべく一計を案じたが、ことごとく打ち払われた。
乱裁道宗を使い、兼続の説得を試みた石田三成の思惑は悪い方向へ外れた。落水城の因縁と案じた光成は、秀吉に「上杉を消すことは容易なはず。なぜ直江兼続にこだわるのですか」と尋ねるのだが…。
兼続と慶次は戦の心構えで聚楽第に上る。対面した2人の前に天下人、豊臣秀吉がいた。慶次の髷は天井高く立ち上がり、松の木の様に傾いている。その髷を秀吉に向けて叩頭すると、慶次の顔は秀吉を向かなかった。
上杉家の存亡と慶次の命が懸かった謁見は、義風に満ちて幕を閉じる。兼続へのこだわりが解消したため、秀吉は越後を許した。その理由を聞いて目を潤ませる三成だったが、その言葉は三成にも向いていた。
月夜の庭にいる茂助と次郎坊。しばし物語るかねと問われた茂助は「ああ、いたそう」と杯を合わせようとするが届かず、池へと転落。彼らによって、莫逆の友と呼ばれた直江兼続と前田慶次の物語が語られる。
上杉家に小田原城攻めが下命される。小田原領主の北条氏政が禁を破り真田家の城を落としたため、秀吉は徳川、上杉、伊達に小田原攻めを命じたのだ。そこで、三成が兼続のもとへ遣わしたのが大谷吉継だった。
天正18年3月、秀吉は北条小田原征伐を開始。兼続ら上杉勢は松井田城を攻めていたが、北条氏の家臣・大道寺政繁が籠城し、戦況は一進一退となる。その時、兼続は秘策があると言い、なぜか犬を連れて山に入る。
小田原城を見渡せる笠懸山に設けた演舞台で踊る肌も露わな遊女たち。北条の戦意をそぐ秀吉の作戦だった。徳川の家臣たちは上杉謙信の落とし胤の正体を暴く策を練り、そこで水晶を磨いた玉眼という物の話になる。
謙信と兼続の秘密を暴くため、半蔵、左玄、井伊は菩薩像の行方を追う。天正18年6月5日、ようやく奥州より伊達政宗が着陣したが、遅過ぎる小田原到着に秀吉の怒りを買って箱根幽閉を命じられる。
政宗と小十郎の間にも強い絆があった。「まるであやつのようじゃな」と秀吉は利休にこぼす。八王子城へ進軍する上杉軍を待ち伏せていた三葉葵の軍勢は家康だった。挨拶をする兼続に家康は井伊の醜態をわびるが…。
左玄ら伊賀忍軍に捕らわれて瀕死の次郎坊を連れ去った異形の魔物。それほどの秘密を謙信の直臣でもある次郎坊は握っていた。それはさかのぼること永禄2年、長尾景虎と妙姫が情を交わしたことから始まった。
©武村勇治・原哲夫・堀江信彦/NSP 2010, ©義風堂々 2013
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